2007年08月22日09:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - 心はプログラムできるか これまた、夏休みをちょっと休んで紹介するだけの価値がある一冊。 心はプログラムできるか 有田隆也 本書「心はプログラムできるか」は、タイトルを見ると人工知能に関する本のように見えるが、目次を見ればわかるとおり実は人工生命に関して広く紹介した本。 目次 - Si新書『心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎』概要 (サイエンス・アイ新書Web)より 第1章 蟻たちの真似をして儲ける話 第2章 進化の力を借りてアートを創る試み 第3章 デジタル生命で進化を研究する時代の到来 第4章 人工生命というムーブメントの本質 第5章 利己的であるからこそ利他性が生まれる 第6章 進化と学習が生む生命と心 第7章 暗闇で不安そうに動くロボット 第8章 計算機の中で心を進化させる 付章 計算
2005年05月26日14:24 カテゴリ書評/画評/品評Love 正しくなければ、生きていけない。 - 書評 - 「おろかもの」の正義論 本書の最後の文である*0。なんて傲慢な言葉だろう、と思われたのではないか? 「おろかもの」の正義論 小林和之 しかし、だまされたと思って読んでほしい。最初から最後まで読み通して、最後にもう一度この一文に出逢ってからもう一度この言葉の意味を噛みしめてほしい。 本書は、philosopher が書いたphilosophyの本である。あえて哲学とは言わない。かねてから「哲学」というのは誤訳とは言わないまでも、不適切や訳だと思っていた。「哲」の字がよろしくない。これでは「頭のカタイヘンクツヂヂイが、カビの生えた観念に固執している」というイメージがどうしても浮かんでしまう。本当にそういうセンセイも少なくないようだが、「哲学」は本来「凝り固まったアイディアから自由
『大人が知っておきたい 図解 教養としての美術史』 ナカムラクニオ/イースト・プレス 評価:☆☆☆ 美術を見るのに知識は要らない。ただ見た時に自分の感性に合うか、合わないかを気にかけるだけで良い。 それはそれで正しい意見だと思う。他人から良いと言われたから良いと感じる、そんなのは間違っている。 だが、表現と表現との関係や、表現から表現へ連なる流れの中のどこに位置するのかを知っておくのは、絵を楽しむ邪魔にはならない。 本書は先史時代から現代まで、表現の流れを追いかける。 博物館で目にするエジプト美術や古代ギリシア美術も先史時代やメソポタミアの影響を受けている。そして、ギリシアの影響はローマに及び、初期のキリスト教へ、更にはビザンティンやローマ風を意味するロマネスクにつながる。ロマネスクからはゴシックが生まれ、それがルネッサンスへ連なっていく。 こうした流れだけでも面白く感じるではないか。 近
二十世紀アメリカ最高の作家と評されるウィリアム・フォークナー。 その最初の傑作である『響きと怒り』を読んだのだが、正直これ、面白いと言っていいのか、分からない。 1回目の通読に、何度も読み直しさせられたり、辻褄の合わないフレーズを理解するのに苦労させられた(後にそれはフォークナーの超絶技巧であることが判明する)。仕掛けだらけの難解さに加え、同名の別人が登場し、読み手の混乱に拍車をかける。 「この”クエンティン”って、あのクエンティンだよな?」などと呟きながら、行ったり来たりするうちに、散りばめられたピースが組み合わさり、物語の全容が浮かび上がってくる。300ページの長編小説を読み通すのに一週間もかけたのは珍しい。 さらに、全てを読み終えたいま、改めて1ページ目から読み直している。河出書房の新訳だけでなく、岩波文庫とも読み合わせながら読む。歯ごたえはあるものの、噛みしめると滋味あふれる、中毒
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