慶應義塾大学は、同大学医学部先進運動器疾患治療学寄附講座 の宮本健史特任准教授らの研究グループが、リンに対して寿命を制御する分子Enpp1がKlothoの発現に大きな影響を与える分子として、老化を制御していることを明らかにしたことを発表した。この成果は8月10日、学際的総合ジャーナル「Scientific Reports」誌に掲載された。 老化メカニズムの一端として、リンを多く摂取することが老化に関連することは以前から知られていたが、その詳しい体内メカニズムはこれまで明らかになっていなかった。そこで研究グループは、リンの摂取量の増大が老化につながることを明らかにするため、リンを代謝する体内の機能に注目し、解析を行った。 「通常のマウス」と「骨形成や糖尿病発症に関わるタンパク質 Enpp1を欠損したマウス」(リンを体内でコントロールできないマウス)に、通常食の1.5~2倍程度のリンを摂取させ