収束が見えない新型コロナ。未知の感染症と対峙していく中で、普段は心の奥に“隠れていた”私たちの正体が次々とあばかれています。その1つが、自分や家族を守ろうとする1人1人の「正義」の危うさです。 「人殺し」「ウイルスばらまくな」「犯罪者」…。愛媛県のある介護施設でクラスターが発生した際に寄せられた電話です。いずれも入所者と全く関係がない市民からの誹謗中傷です。30年前、ある薬害エイズ患者が未来に向けてある肉声を残しています。「警告だけはしておく。普段はきれいごとを言ってる人も、いざ自分の身の回りに何か起きたら、差別や偏見はいつも弱者に向けられる。何かあった時にこそ、自分の人間としての価値が問われる」。なぜ私たちは歴史を繰り返してしまうのでしょうか。 (南海放送 解説委員長 三谷隆司、記者 植田竜一) 県内屈指の繁華街・愛媛県松山市三番町に「ひだまり保育園」という24時間営業の保育園があります