タイの軍事政権は5日、中国製潜水艦1隻を購入する契約に北京で署名した。購入するのは「S26T」潜水艦で、価格は135億バーツ(約430億円)。実際の配備には5、6年かかると見られている。今後、さらに2隻を中国から購入する計画だ。 タイ海軍は、潜水艦を保有していない。政府関係者は「周辺国も潜水艦を持っており、脅威を防いでバランスを保つためにも必要だ」とし、中国製を選んだ理由については「ほかの国に比べて安かった」としている。 ただ、「経済が停滞する中でこれだけの巨費をつぎ込む必要があるのか」との批判や、「なぜ中国製なのか」といった疑問の声が渦巻いている。 今回の契約は、中国製潜水艦3隻を総額約360億バーツ(約1150億円)で導入する計画の一環で、軍政は計画をさらに進めるとみられている。(バンコク=貝瀬秋彦)