インターネット時代の新書ブーム 筆者は学生時代の大半で「本=アメリカ文学」という読書生活を送ってきたので、いまでも本屋に行くと、まず文芸書のコーナーをチェックする。残念ながらここ数年、文芸書コーナーはどんどん縮小しているようだ。かわって拡大しているのが新書コーナーである。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」「下流社会」「国家の品格」などが書店を賑わし、新書ブームと騒がれたのが2005年。以降も出版不況と呼ばれる中で、新書だけは各出版社が相次いで参入するなど登り調子で、ヒットも続いている。トーハンの発表した2007年の年間ランキング上位20作品には、新書が「女性の品格」「日本人のしきたり」「国家の品格」「いつまでもデブと思うなよ」「生物と無生物のあいだ」「世界の日本人ジョーク集」と6作品もランクインした。 なぜ新書が売れるのか。筆者も近頃ときどき新書を読むが、中身がコンパクトにパッケージとして