◇フィールドワークで真実を探る 「護憲はサヨク」「不満があるなら、在日(コリアン)は日本から出て行け」 島根大法文学部助教授の植松健一さん(35)が受け持つ「日本国憲法」の講義。無記名で自由に意見を述べる「自由記述」のリポートには、中国・韓国を誹謗(ひぼう)し、平和運動を嘲笑(ちょうしょう)する文字が並ぶ。その多くが、ネット掲示板ではんらんする表現だ。 「記名のリポートだと、こうはならないんですけどね」。植松さんは苦笑する。 「憲法9条のおかげで、自衛隊の活動や核武装に歯止めがかかっている」。植松さんの持論だ。講義でも、平和憲法の果たす役割や9条の解釈について論じてきた。しかし、多くの学生の「本音」は、むしろネット掲示板で展開されるナショナリスティックな議論の上にある。 植松さんは、今年5月に発足した「島大9条の会」の呼びかけ人の一人。当初は10人だったが、賛同する教員は全体の3分の1を占