カルメ焼きを作ってみたいと思っていた。砂糖、あの砂糖がですよ、何かの術をほどこすと、ぷくーと膨らんでシャクシャクしたお菓子になる。 ただ親の世代ならいざ知らず、自分の経験上、夜店でカルメ焼きを買ってもらったことはなく、カルメ焼きに特別な思いを抱くということはなかった。が、図書館でカルメ焼きを紹介した ある本を何気なくめくると、こんな記述があったのだ。 「では、太田胃散でも膨らむかどうか、やってみましょう!」 えー! (乙幡 啓子) 準備からしてけっこう面倒 ある漫画で、お母さんが昔を思い出してカルメ焼きを作るシーンがあったが、そのお母さんも試行錯誤を重ねた末、成功することはなかった。つまり何度やってもプクーっとふくらまなかったのだ。 その印象が強く、なかなか重い腰を上げずにいた私だったのだが、図書館の子供用の棚にこんな本を見つけた。