時代の端境期にあって「日本ブランド」が再評価されている。完璧を求める几帳面な国民性が「共生の時代」にベストマッチ。戦略なき底抜けの楽観と素朴な優しさが信頼と安心の源だ。世界を見渡しても類まれな格差なき幸福の国、ニッポン――。木漏れ日の差す21世紀にこそ、その品格が際立つ。 本誌(日経ビジネス編集部、以下同) 「ニッポン」というブランドが、世界の中で希薄化していくのではないかという見方があります。 牛尾 そうかな。僕はそうは思わない。逆ですよ。これからの時代、日本人が生まれながらにして持っている特質が世界でいよいよ高く評価されるようになるんじゃないかな。 本誌 どういうことですか。 牛尾 クルマや機械、電子部品、デジタル製品など、日本製品は世界で高く買ってもらえます。それは、壊れにくくてメンテナンスに手間とお金がかからない、すごく信頼性の高い良い製品だからです。 そういう優れた製品を生み出し