【ワシントン高本耕太】9日に北朝鮮を訪問し金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談したポンペオ米国務長官は11日の記者会見で、金委員長に「過去に敵対した国と友好関係を築いてきた米国の歴史を語った」と明かした。非核化に向けた北朝鮮との一連の交渉で、米国側は、太平洋戦争で戦火を交えた日本との現在の同盟関係などを引き合いに、未来志向の関係構築を呼びかけている模様だ。 ポンペオ氏は「両国間に横たわってきた困難について金委員長と語り合った」と説明、北朝鮮との対立を解消する「希望」について伝えたとも述べた。「かつての敵国との和解」の例示は、これまで首脳間で非難を応酬し激しく対立してきた北朝鮮の軟化を促すとともに、テロ支援国家指定国との急速な関係改善を批判する、国内の一部勢力を意識したものといえそうだ。