出生前診断でダウン症との結果が出ていたにもかかわらず病院側から「異常なし」と伝えられたとして、両親が北海道函館市の産婦人科医院「えんどう桔梗マタニティクリニック」などに1000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、函館地裁(鈴木尚久裁判長)であった。病院側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を見せた。 訴状によると、母親(43)は2011年4月、同クリニックで胎児の染色体異常の有無を調べる羊水検査を受け、遠藤力院長(61)から「結果は陰性」と説明を受けた。その後、実際にはダウン症との検査結果が出ていたことが分かった。生まれた男児はダウン症に起因する合併症によって生後約3か月半で死亡した。 両親は「誤った説明によって、出産するか人工妊娠中絶するかの判断の機会を奪われ、男児を出生した後に入院治療等で自身や男児が多大な精神的苦痛を被った」と主張している。 病院側は検査結果