女の方へ、へき地からひとりの男がやってきて、女の中へ入りたいと言う。 しかし女は言う。 今は入っていいと言えません、と。 よく考えたのち、その男は尋ねる。 つまり、あとになれば入ってもかまわないのか、と。「かもしれません。」 女が言う。「だが今はだめです。」 女のそこはいつも開け放たれている。 そこで男は身をかがめて、中をのぞいて見ようとした。 そのことに気づいた女が笑って、こう言った。「そんなに気になるのなら、やってみたら。私は入ってはいけないと言っただけだからね。いいですか、私は強い。だが、私はいちばん格下の守りにすぎない。私に勝っても、次々と用心棒が現れるでしょう。そいつらは、前のものよりもっと強いのです。三番目の用心棒でさえ、私はそいつを直視することもままできません。」 これほどの難関を、へき地の男は予想だにしていなかった。 女は誰にでもいつでも開かれているはずなのに、と思った。