新型コロナ、「政策」が経済をおかしくする 著者は医師(総合内科専門医)であるが、MBA(経営学修士)や経済学博士を持ち、現在ビジネススクールで教えている。多面的な視点で日本・中国・アメリカ・ヨーロッパにおいて、新型コロナウイルスの今後の感染状況がどのように各国の経済に影響を及ぼすのかを考えることで、微力ながら日本への提言を試みたい。 主として感染の影響は実体経済に現れてくると考えられるので、実体経済を中心に金融経済についても触れてみる。数字で物事を語ることになるので、非常時に冷たい感じがするかもしれないがお許しいただきたい。 感染症がどのように経済に影響を及ぼすのかを考えると、昔のコレラやペストのように非常に多くの国民が死亡するような感染症でなければ、感染症自体の直接の経済への影響はさほど大きくない。むしろ感染症が蔓延しないようにするために国で行う政策によって経済に影響を及ぼすと考えたほう