ひところよりもデータモデル(ER図)を作成することの重要性が理解されるようになったが、それでも形だけ整えられて納品されてしまうことがある。「納品しろと言われたからしかたなく作った」ようなモデルはヤバい。素人のイラストにもとづいて高層ビルを建てるような無茶を避けるために、危ういモデルを事前に見破るコツを知っておこう。 ただし、データモデルの「意味的な正しさ」は個別の問題なので立ち入らない。ここではその「見かけ」から危ういモデルを見破るための3つのポイントを紹介しよう。「キー設計が甘い」、「多対多を含んでいる」、「他の設計要素を支えない」といった兆候があれば注意したほうがいい。それぞれを説明しよう。 1.キー設計が甘い データモデルはデータ項目間の「関数従属性」と「ドメイン制約」を示すための図面である。それゆえに、キー属性がいい加減に設計されたモデルは役にたたない。キーはテーブルの存在証明のよ