インドの人口の約8割が信仰するヒンズー教の神々が、アニメキャラクターや小説の主人公として活躍している。神々の“エンターテインメント化”の背景には、経済成長で自信を深めたインド国民が自国の文化を再評価する流れと、若い作り手たちの新しい発想の融合がある。日本の漫画やアニメの影響も大きい。 ◆日本の影響色濃く 4月からインドでテレビ放映中の日印合作アニメ「バトゥ・ガイデン(外伝)」。ヒンズー教の神々をモデルにしたキャラクターが登場する。争いが絶えない時代に神がクリケットに似たスポーツで決着をつけるよう命じ、主人公が戦いを通じて成長する物語だ。 「インドで人気がある神話とクリケットを合わせたら、絶対に成功する」。原作を発案した京都市下京区の携帯コンテンツ企業ゼロ・サムの菊池力社長は確信していた。 西部ムンバイで1年前に行った制作会議では、インド側幹部から「キャラクターが日本風だ。目や服の色