就職氷河期世代の中には、老いた親の年金に頼って生活している人たちもいます。安定した職に就こうにも、30代半ばを過ぎて「年齢の壁」に阻まれているのが一因です。親の死で経済的な「生命線」が断たれたらどうしよう―。不安にさいなまれています。 ▽私の人生、ほぼ真っ白。独りぼっちの未来が怖い ■広島市の無職女性(41) 高齢の母親と2人暮らし。母の国民年金月4万円と父のわずかな遺産が頼り。 大学卒業後は実家の工場で働いただけで、ほとんど社会に出たことがありません。この前、履歴書を作ろうとしたら、職歴欄もアルバイト欄も書くことがなかった。私の人生、ほぼ真っ白です。若い頃、将来を深く考えなかったことを後悔しています。 年を重ね、弱っていく母(78)から「私が死んだ後どうやって生きていくの」と心配される毎日。独りぼっちの未来を想像するのが怖くて、布団に潜り込み、目を閉じて何も考えないようにするんです。この
眼球使用困難症候群。 今月で終了となる連載コラム「心療眼科医・若倉雅登のひとりごと」には、何度となく出てきたキーワードですが、一般にはまだまだ知られておらず、ほとんど理解されていません。 文字通り、眼球自体は健常でも、それを自在に使えないいろいろな事態を総称している用語です。この状況は、日常生活では明らかに視覚障害者ですが、日本の身体障害者福祉法では、こうした異常は想定されておらず、福祉のセーフティーネットにかかりません。 この症候群を持つ方々が、国(厚生労働省)や社会に、こんなに厳しい病気があることを何とか理解してもらおうと、いろいろな場面で訴えています。日々生きていくのでさえ精いっぱいの自分を鞭(むち)打って、いろいろな手段で訴え続けているのです。 私がこの症候群の名付け親でもあることから、私どものNPO法人目と心の健康相談室にも多くの相談があります。最近では「眼球使用困難症候群支援室
東京都心では設置されている駅を見かける機会も多くなった「ホームドア」だが、全国に目を向けて見ると、思うように導入が進んでいない事業者も少なくない。こうした「設置格差」が生じる原因はどこにあるのだろうか。(鉄道アナリスト 西上いつき) ● 金持ち鉄道は導入進むが… 事業者に広がる「安全格差」 今年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、鉄道駅のバリアフリー化も加速している。東京都心ではホームドアが設置されている駅を見かける機会も多くなった。 首都圏の鉄道事業者で、特にハイペースで設置を進めているのが東京メトロと東急電鉄だ。東京メトロでは現在、全駅の約7割ほどに設置済み、各線での設置計画の前倒しを掲げている。東急も2020年目標だった全駅設置予定を前倒しし、今年度中に世田谷線を除く全駅に設置することを掲げている。 ほかの首都圏の大手私鉄やJRも、この2社ほどハイペースではないものの、着
産業技術総合研究所(茨城県)の上級主任研究員、柴田崇徳さん(52)=南砺市出身=が、アザラシ型癒やしロボット「パロ」の宇宙用モデルの開発に着手した。長期ミッションに臨む宇宙飛行士のメンタルヘルスケアに用いるためで、米航空宇宙局(NASA)が構想を持つ2030年代の火星有人探査での活用を目指す。活躍の場を広げてきたパロがついに地球を飛び出す可能性が出てきた。 (政治部・土居悠平) パロは、米国で医療機器として認められ、18年には高齢者や障害者向け公的医療保険の適用対象となった。現在は世界30カ国以上の病院や福祉施設で、6千体以上が人々を癒やしている。 火星には到達するだけで約半年間が必要。到達後のミッションも長期間に及ぶことが見込まれ、宇宙飛行士たちは長い時間を閉鎖空間で過ごさなければならない。パロはストレスや孤独感、抑うつ状態を緩和させる効果があるとされることから、開発者である柴田さんは宇
<2019年のニューズウィーク日本版ウェブサイト配信記事のうち、特に反響が大きかった記事を年末年始にまとめて再掲載。今回は8月27日掲載の経済評論家、加谷珪一氏のコラム。日本がかつて「豊かだった」というのは大いなる勘違いだと指摘しています> 「日本はAI後進国」「衰退産業にしがみついている」「戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり」。ソフトバンクグループの孫正義社長による手厳しい発言が話題となっている。多くの人が薄々、感じている内容ではあるが、公の場では慎重に言葉を選んできた孫氏の性格を考えると、一連の発言は異例であり、事態が深刻であることをうかがわせる。 実際、日本は多くの面で先進国から脱落しており、ここから再度、上位を目指すのはかなり難しい状況にある。私たちには、日本はもはや後進国になったことを認める勇気が必要かもしれない。 <数字で見ると今の日本は惨憺たる状況> このところ日本社会が
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