人類は有史以前から、さまざまな感染症に苦しめられてきた。今、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう。緊急事態宣言が延長され、出口はまだ見えない。感染症の脅威について、改めて考える。 <人類と感染症> 細菌やウイルスなどを原因とする感染症は、人類が誕生したときから存在した。14世紀の欧州ではペストが大流行。3人に1人が死亡したといわれている。スペイン風邪は1918~20年に流行した。国際協力を進めるため1903年には国際衛生協定が締結され、現在の世界保健機関(WHO)につながっている。天然痘のように根絶宣言された例もあるが、多くは再興する。感染症を題材にした文学作品としては、ボッカチオの『デカメロン』、カミュの『ペスト』などが有名。