佐賀県に本社を置く和服小売業の鈴花が、県のDXフラグシップモデルに選ばれた。伝統を重んじる地方の中小企業のDXのきっかけは、一人の情シスが「Microsoft Power Platform」で社内の小さな課題を解決したことだった。 鈴花は、九州を中心に西日本で和服小売業を展開する老舗呉服店だ。2020年で創業120周年を迎え、長年にわたって和服の魅力を発信し続けてきた。最近では、伝統を重んじる保守的な老舗着物屋のイメージとは裏腹に、ノーコード/ローコード開発ツールやBIツールによるデジタル化を積極的に進め、ITを使った現場の課題解決や顧客データの分析に基づくサービスの向上に努めている。こうした取り組みの中で、2022年5月には佐賀県のDX(デジタルトランスフォーメーション)フラグシップモデルに選出された。 まさに、中堅・中小企業のDXモデルともいえる同社だが、少し前までは電話や自宅訪問を中