明治政府が太陽暦を導入し、明治5年12月3日を明治6(1873)年1月1日とした改暦から150年の節目を迎えた。暮らしの基盤となる時間や季節を捉えようとする試みは、はるか昔から連綿と続いてきた。デジタル技術を生かす現代から太陽の動きを観察した古代へと、暦にまつわる変遷をさかのぼる。 「紙より便利。どこにいても片手で予定を入れられる」。前橋市の大学4年生、来代(きただい)颯馬さん(21)はスマートフォンで日頃のスケジュールを管理する。アプリ「タイムツリー」で目的や相手ごとに複数のカレンダーを作り、家族や友人らと予定を共有する。15歳の頃にスマホを持ってから紙の手帳は使わなくなった。時刻の確認もスマホ。腕時計を着けるのは入学式や就職活動の時だけだ。 普及し始めた頃は「多機能携帯電話」と表記されたスマホは、その名の通り手帳やカレンダー、時計の役割をのみ込んだ。あおりを受けた歴史ある商品の一つが、