ヘッジファンドが円下落を見込むポジションを先週、3カ月ぶり高水準まで積み上げた。主要国が利上げを競う中、日本銀行は超低金利政策を維持すると見込むためだ。 米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、レバレッジドファンドは先週、円のネットショート(売り越し)を1万8836枚増やしており、これは昨年3月以来の拡大規模だった。同週は米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る上昇率を示し、日銀が現状維持とみられる中で米金融当局が積極的な利上げに動くとの期待が高まり、相場が荒れた。 円は今年これまでに対ドルで20%下落し、G10通貨で最悪のパフォーマンスとなっている。日米の金利差拡大が背景だが、このスプレッドは今週さらに広がるもようだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)が1ポイント利上げを決める可能性もある中、日銀は超低金利の継続がほぼ確実視されている。 黒田日銀は動かず、緩和修正「可能性低い