山田朗、『日本は過去とどう向き合ってきたか 〈河野・村山・宮沢〉談話と靖国問題を考える』、高文研 近代日本の軍事史の専門家による、歴史修正主義批判の入門書。I章〜IV章のタイトルは次の通り。 I 〈河野・村山・宮沢〉歴史認識三談話をめぐって──政界に広がる歴史修正主義 II 靖国問題をめぐって III 歴史修正主義を支える戦争観 IV 現代における〈戦争責任〉とは何か 細目次についてはこちらをご覧下さい。 「幅か、奥行きか」でいえば前者を、すなわち現代日本の歴史修正主義が攻撃対象にしているトピックをなるべく網羅的にとりあげることを目指した本だと思います(その意味では、沖縄戦「集団自決」問題の扱いが手薄なのが残念ですが)。各トピックについて参考文献が挙げられていますので、“歴史修正主義に抗するために勉強したいのだが、とりあえず手がかりになる本が欲しい”という方にはちょうどよいのではないかと思