今日(7月22日)の朝日新聞に宮台真司・雨宮処凛・中島岳志の三氏の鼎談が載っていた。 鼎談の中でとくに気になったのは、宮台氏が貧困運動家たちが国の支援に依存しようとしていることを批判して、「小さな国家」「大きな社会」という理念を語っていたことである。雨宮氏がそれに対して、小さな政府の名の下に家族や個人の責任が過剰になっている現実があることを指摘していたが、この論点については全く雨宮氏の言うとおりであろう。「小さな国家」「大きな社会」は理念としては間違いでないにしても、現時点でそれを言えば、現実に行政しか頼れる場所がない弱者がさらに悲惨な状況に追い込まれることは目に見えているからである。 そして、これは明確に言っておかなければならないが、原理的に言っても弱者を救済する究極の機関は国家なのである。弱者の救済は、NPOのような自発的結社ではどうしても限界がある。財政上・権限上の限界という以前に、