ほんとうは、こんな話題に触れたくはない。けれど今わたしたちが生きている社会に確かに存在する一つの風潮について考えるためには、やはり触れておかなければならない。1月25日付の日刊ゲンダイが報じるところによると、1月23日昼下がりの新橋SL広場で東京都知事選の有力候補者の一人である元自衛隊幹部の候補者の応援演説に立った公党の共同代表(81)は、通りがかったサラリーマンたちを前におよそ20分以上にわたって公然と「ヘイトスピーチ」ともとれる演説をつづけた。 出だしは「マイクの調子が悪いなあ。韓国製だからじゃねえのか」からはじまって、「“シナ”の植民地になりたくない。チベットみたいな国になりたくない」と、聴衆に同意を求めた。その後、「出てきている候補を見ると、変なヤツが多いねえ」と他候補批判を開始。まず口汚く罵(ののし)った相手は脱原発を訴えている元首相コンビだ。「ワケのわからない殿様が出てきて原発