レジオン・ドヌール勲章(フランスにおける最高位の勲章。注1)の効果的な使い方をご存知だろうか?それは、勲章をもらうのを拒否することだ。そしてそれこそが、原子力産業で働く下請け作業員の被ばくその他の労働災害(労災)問題を研究し警笛を鳴らし続けてきた社会学者、アニー・テボ・モニが行ったことだった。 勲章授章の栄誉を伝達したセシール・デュフロ住宅担当大臣に宛てて書いた手紙の中で、テボ・モニ氏は今回の辞退が労働者の健康をとりまく環境の劣悪化と労働者を発癌物質にさらす産業界への監視の目が欠如している問題を警告するためのものであることを説明した。 テボ・モニ氏は健康問題を専門にする社会学者。1983年から2010年に退職するまで、国立医学研究所(Inserm)にて勤務した。レジオン・ドヌール勲章を拒否した理由について、同氏はルモンド紙に次のように語った。もちろん、研究に必要な資金が急に支払われなくなっ