【 楽屋裏で出会った和尚 】 「ネットで選挙演説を見て、檀家から君に献金を集めた坊主だ。話を聞いて欲しい」 憲法フェスを開催した名古屋のイベント会場。 楽屋裏で、その住職は唐突に切り出した。 「君はもう分かっているだろうと思うが、戦争や環境破壊、、世界で起こっている問題は全て、この100年に及ぶ資本主義の行き詰まりが原因だ。利益と配当と成長を生み出し続けなければ存在できないシステムが限界に来ている。」 勝新太郎を少し細身にしたような、気骨を感じる住職の名前は唖樵(あしょう)。歳は70だと云うが、もう少し若く見えた。 「そこで、私はこの資本主義の問題を解決する会社を作ったんだ。」 いきなりすごい結論に至っている。 資本主義の問題を解決する会社を作った、と云っている。 穏やかに、しかし割り込む隙を与えない推進力で彼は語る。 「政治だけでは世の中は変えられない。経済と人々の生活を変質させなければ