『沙石集』の電子テキストを公開しました。 元和二年刊古活字本『沙石集』:やたナビTEXT 底本は、元和二年刊古活字本(京都大学蔵)です。いつもどおり、翻刻部分はパブリックドメインで、校訂本文部分はクリエイティブ・コモンズライセンス 表示 - 継承(CC BY-SA 4.0)で公開します。 『沙石集』は、鎌倉時代中期に無住によって書かれた仏教説話集・・・ということになっていますが、そう言うと無住に怒られるでしょう。 無住は執筆の意図を、序と最後の述懐に書いています。それによると、一般人のために、興味深い説話をネタにして、仏法を勧めるために書いたと言っています。 読んでみると、説話よりも無住の言葉の方がずっと多く書かれています。この無住の言葉はかなり難解で、とても本人がいうように一般人のために書いたようには思えません。仏典や漢籍の引用も多く、よほど仏教と仏教語の知識がなければすべてを理解するこ