◇勝負最優先で「事件」 中国の劉星七段が顔を真っ赤にしてメディアの取材ゾーンに現れ、何やら中国語でまくしたてている。ペアを組む唐奕二段はその横をスタスタと無言で通り過ぎた。 初めて「スポーツ」として大会種目となった囲碁。20日、先陣を切って「ペア碁」と呼ばれる混合ダブルスが始まったが、初日から異様な光景が展開した。 “事件”が起こったのは午後の2回戦、中国-韓国(朴廷桓八段、李瑟娥初段)戦だ。いずれも世界を代表する男女のトップ棋士。優勝候補の筆頭格が1勝同士で激突した。序盤から互いに譲らない激戦が続いたが、終盤に入って内容的には中国の勝ちが確定。ところが、まもなく終局かという時に、韓国ペアがまったく無意味な地点への着手を始めた。 持ち時間は各45分で、それを使い切ると内容がどうであれ自動的に負けになる。韓国は、持ち時間の少なくなっていた中国の時間切れを明らかに狙っていた。十数手以上にわたり