(前回は「三菱商事や戸田建設、インフラ開発「エネルギー多消費」を返上」) 脱炭素経営ランキングで上位には入らなかったものの、一部の専門家が熱い思いで支持した企業がある。強い覚悟を持って脱炭素に果敢に挑戦する先進企業を、専門家のコメントを交えながら紹介しよう。 支持を集めた企業群の一つは、製鉄大手だった。酸化還元反応を利用するため、鉄を1トンつくる際、二酸化炭素(CO2)が2トンも排出される。日本のCO2排出量の約1割を鉄鋼業界が占めることから、気候変動を巡る議論の中で、悪者扱いされることも珍しくない。しかし、だからこそ製鉄大手は脱炭素シフトに社運を懸けてきた。 JFEホールディングス(39位)は、「(炭素中立を目指し)2030年に向けたトランジション(移行)段階と、その後のイノベーション戦略を策定し、エネルギー多消費セクターの脱炭素戦略の描き方の先べんをつけた先駆性」が評価された。 高炉の