外堀にあるレストランの池に放たれたホタルの光跡=19日夜、新宿区神楽坂1丁目、小宮路勝撮影 東京都心のJR飯田橋駅近くの外堀のボート場。オーナーの羽生裕子さん(56)は2年前から、ここを「ホタルの飛び交う場所にしたい」と取り組む。外堀の水が流れ込む神田川と日本橋川流域の人と一緒に水の浄化活動をしながら、お堀育ちのホタルが見える日を待ち望んでいる。 羽生さんは、外堀の一角にある牛込濠(ぼり)でボート場を併設するレストラン「カナルカフェ」も経営する。中央線の車窓からもよく見える場所だ。実家は、祖父が約90年前に始めたこのボート場の真上にあった。 子どもの頃の牛込濠は、豊かに茂る水草がたくさんの小魚やエビを育み、鳥も多く集まった。夏の夕べにはボートに乗って涼みながら、飛び交うホタルを見て楽しんだ。 「あの風景を取り戻したい」。2年前、千代田区の企業や住民らがつくるNPO法人「日本橋川