バックナンバー 下水道ビジネス(2) 日本は公害対策で進展2010年6月24日10時37分 Q 日本の下水道の歴史を教えて。 A 近代的な下水道が造られたのは、横浜の外国人居留地(1881年)や東京の「神田下水」(1884年)が最初だ。ただ、し尿は川などに流さず、畑の肥料として活用してきた。このため、外国に比べて、し尿処理を衛生問題と考える人が少なく、整備はなかなか進まなかったという。 Q 本格的な普及はいつから? A 普及率は1970年度時点で16%。工業が発達し、人口が急増した高度成長期にはまず上水道から整備を始め、下水道は後手に回ったんだ。し尿はくみ取り式が中心で、台所や洗濯排水、工場の汚水は川や海に流された。その結果、50年代の川や海には泡や油が浮き、急速に水質汚濁が進んだ。象徴的なのは隅田川。水質悪化で「早慶レガッタ」や隅田川花火大会が数年間にわたって中止に追い込まれた。転機は7