まだ、昭和の時代。 俺が小学生だったころの話。 町の外れ、海のすぐ手前に市営のプールがあった。 バスに揺られて約30分。 土曜日の半ドン授業の後は、友達数人と連れ立ってそのプールによく行った。 市営のプールでありながら流れるプールになっていて、学校のプールとは楽しさが段違いだった。 隣にはもうひとつ普通のプールがあって、どういうわけかその水はとても冷たかった。 流れるプールの混雑ぶりとは打って変わって、そこはシーンとしていてなにか別世界に来たような感覚があった。 そのころの俺は背泳ぎが苦手で、どうしても上手くなりたかったから、時々友達と離れて冷たい水のプールで一人で練習していた。 水面に一人でプカプカ浮かびながら、夏の高い空をぼんやり眺めているのが好きだった。 真夏でも唇が真っ青になるくらいの冷たい水だったから、泳ぎ終わった後は体が冷えきっていた。 プールを出ると道端に10件ほどの小さな商
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