メガネの、メガネによる、メガネのための日本酒をつくっています―― 江戸時代後期に創業した老舗の酒蔵「萩野酒造」(宮城県栗原市)で、「メガネ専用」というユニークな特別純米酒造りが行われている。 蔵人8人全員が偶然メガネをかけており、「日本酒の日」の10月1日が「メガネの日」でもあったことから、蔵元の佐藤曜平さん(38)が発案した。「軽い思いつきですが、お酒自体はまじめにうまいと思えるものをつくっています」 「メガネ専用」は2015年から販売を始めた。味に加えて、視力検査に使うアルファベットのCのようなマーク「ランドルト環」をあしらったラベルも好評で、販売分はすぐに完売してしまう。今年の製造量は一升瓶約5千本分で、10月1日に消費者の手に届くように販売される。 蒸した酒米を冷ます工程では、メガネのレンズが曇ってしまうため、メガネ蔵人たちは、おでこにメガネをかけて、黙々と手を動かしていた。佐藤さ