原爆は『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』や『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』にも出てきたが、それらの描写はリアルとはほど遠かった。もちろん、それらは娯楽映画だし、誰もインディ・ジョーンズやウルヴァリンが本当に被爆するような様子を見たくはないので、それはそれで良い。 今回ノーランが作ったのは、事実を語るシリアスな映画であり、観客もそのつもりで観に来る。せっかくスタジオにR指定になってもいいと承諾を取ったのだし、アメリカ人に原爆のリアルを知ってもらうチャンスだった。しかも、上映時間は3時間もあるのだ。 史実の一部を省いてもいる さらに「それだけ長い時間があるのに、もうひとつ大事な部分が欠けている」と「Sydney Morning Herald」は指摘する。『オッペンハイマー』では、1939年にアルバート・アインシュタインが、強力な武器になり得る物理上の発見についてフランクリ