「公共工事CALS/EC不要論」を今年1月にブログに掲載したら「不要論を書いた背景を話してほしい」との依頼があって講演する機会があった。「CALS/ECも、このままでは80年代に大失敗に終わったIT国家プロジェクト”シグマ計画”の二の舞になってしまうのではないか?」と話をした。IT業界では有名なシグマ計画も、建設など他の分野ではほとんど知られておらず、その失敗が学ばれていないことが判った。社会保険庁の消えた年金記録問題も役所でIT化を推進する過程で発生した問題である。なぜ役所主導のITプロジェクトは失敗を繰り返すのだろうか? 80年代からIT業界に関わっている人なら、シグマ計画のことを知らない人はまずいない。先日も経済産業省の幹部と話をしていたら「シグマのような失敗は繰り返さない」と今でも引き合いに出してくるほどだから、経産省にとってあまり触れてほしくない古傷である。 ソフト時代への変化を