日本IBMから2021年に分社したキンドリルジャパンが北関東にあるデータセンターの閉鎖に向けて動いていることは、地方銀行やインターネット専業銀行にとって影響が大きい。預金や為替など銀行の中核を担う勘定系システムを同データセンターで稼働させているところが少なくないからだ。一部の銀行からは戸惑いの声も漏れる。 「まだキンドリル側と詳細な話はできていない」。キンドリルジャパンの北関東にあるデータセンターを利用する銀行のシステム担当幹部はこう打ち明ける。 キンドリルジャパンは2020年代後半に、同データセンターを閉鎖する計画だ。開設から30年近くが経過し、建物や分電盤、空調設備などの老朽化が目立っていたからだ。同社はデータセンターの再編などを通じて、オンプレミスとクラウドサービスを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」を軸にした事業展開を見据える。 分社化前の2017年ごろから検討 米IBMからIT