旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三 (文春文庫) 作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/04/10メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 38回この商品を含むブログ (54件) を見る 佐野眞一『旅する巨人』*1から岡正雄についてメモしようと思ったのだが、その前に(それと関連して)、柳田國男とフレイザーについて。 岡が柳田に会ったのは、卒業論文を書く際、自分で翻訳して参考にしたフレイザーの『王制の呪的起源』の序文を柳田に書いてもらおうと考えていたためだった。岡は同じフレイザーの大著『金枝篇』*2も、東大新人会の佐野学*3から原書で借りてすでに読んでおり、穀霊である神聖王の殺害によって王権が更新されるというフレイザーの学説は、新興のエスノロジーを目指していた岡にとって新鮮な驚きだった。 ところが柳田は、岡の申し出を言下に拒否したばかりか、出版するなら妨害するというまで
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