2020年五輪に向けて、屋内の受動喫煙対策を条例化する東京都の動きがしぼみつつある。飲食店や宿泊施設の業界団体が反対し、都が設けた検討会も賛否は割れたまま。五輪開催都市で罰則付きの法令を定める「禁煙五輪」の流れが定着する中、その灯火(ともしび)が東京で消えかかっている。 「受動喫煙の害に地域特性はなく、規制は国が行うのが望ましい。罰則付き条例の制定は困難が多い」。都庁で12日あった受動喫煙防止対策検討会(委員12人)の4回目の会合。座長の安念潤司(あんねんじゅんじ)中央大教授が結論の座長案を読み上げた。うなずく委員の一方で、挙手して発言を求める委員もいた。 「禁煙五輪の流れを東京が断ち切ることになる」。条例化を望む日本医師会の委員が異論を唱えると、慎重派の法学者は「大都市の東京が条例で自由な営業を制限する影響は大きい」。議論は平行線をたどった。 検討会は昨年10月から都医師… こちらは有料