貿易摩擦悪化の中でトレーダーらは条件反射的に安全な逃避先を円に求めがちだが、今回はそれは間違いだ。 7月に入ってからの円の動きは主要10通貨の中で最も弱い。TDセキュリティーズは質への逃避という論理に基づく円上昇予想を撤回し、ポジションをクローズして損失を受け入れざるを得なかった。円は1ドル=112円10銭の水準を割り込み1月上旬以来の安値に沈んだ。 外為ストラテジストのメイゼン・イッサ氏は12日の顧客向けリポートで、「貿易摩擦が悪化しリスク意欲が後退、10年物米国債利回りの低下につながるとの予想に基づきこの取引を開始した」とし、「このシナリオはおおむね実現したものの、ドル・円相場は伝統的な相関を離れ逆に上昇した」と説明した。