中元商戦を目前に、三輪そうめんの老舗、奈良県桜井市の森井食品による賞味期限改竄(かいざん)問題が発覚し、業界がダメージを懸念している。食の安全が注目される中、農林水産省は「消費者をだます表示は許されない」と厳しい視線を向けるが、そうめんは本来保存食で、業界では「2〜3年ものが一番おいしい」ともいわれる。今後は、品質に問題がなくても廃棄や家畜の餌になる可能性が高いという。 「そうめんは古ければ古いほどおいしいという世界で育ってきた。しかし、昨今の食をめぐる不祥事を考えると、業界の常識は通じなかった」。同社の森井一晶社長は6日、農水省から日本農林規格(JAS)法に基づく改善命令を受けて謝罪した。 同社は平成13年から、1年半の賞味期限で出荷した商品のうち返品分の中身をチェックした上で、賞味期限をさらに1年半先延ばしして再出荷していたが、改善命令を受けて今後は廃棄処分にするという。 業界では、食