三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員 片岡剛士 安倍総理大臣首相 は2014年7月から9月まで7-9月期 のGDP統計を勘案しながら、2015年10月から消費税率を10%に引き上げるか否かの判断を行うとしております。 消費税を増税するのは、社会保障制度を維持・充実させ、さらに財政健全化に結びつけることが目的と言われますが、本当にそうでしょうか。いくつかポイントを挙げながら考えてみましょう。 研究者の試算によりますと、将来拡大を続ける社会保障制度を維持するために必要な消費税率は30%から40%程度と言われます。社会保障制度を維持するために消費税を活用するのならば、毎年のように消費税率を引き上げる必要がありますが、5%から8%へと消費税率を引き上げるのに17年もの歳月がかかった事からみても非現実的です。以上から、消費税は、拡大する社会保障給付に自動的に対応する安定財源ではないとい