「うつは気持ちの問題だと言われた」 ~中小企業の働き手~ 愛知県のクリニックで取材に応じてくれた40代の川口さん(仮名)。従業員およそ70人、工作機械のメンテナンスを行う中小企業に勤めています。勤続20年以上で機器修理・開発に従事していた川口さんは、社長の一言で新しい機器の開発を命じられました。開発のため、新しいソフトを習熟する必要があるほか、並行して自身の業務を行うことになり、残業時間が月60時間以上といった日々が続いたと言います。 「周りに相談しても『時間は自身でつくるしかない』、『私はそのソフトの使い方が分からない』と言われ、休日も勤怠をつけず触れたことのないソフトを勉強する日々が続き、不眠に悩まされ、うつ状態になりました」 約5か月にわたる苦闘の末、開発自体は納期に間に合ったという川口さん。しかし、ストレスチェックを行ったところレッドゾーンに入っていたことから限界を感じ、退職願を提