銭湯が年々減少する一方で、共同で利用する温泉や大浴場を併設したマンションが増え続けている。広々とした湯船で足を伸ばし、裸のつきあいができる“銭湯”は日本人の風呂好き文化を象徴する存在。マンション内の共同浴場が入居者間のコミュニケーションに一役買っている。(村島有紀) ◆ガス、水道代節約 神奈川県真鶴町のリゾートマンション。都内に勤める会社員夫妻は露天風呂付きの共同大浴場(温泉)が決め手となり、購入を決めた。 妻(37)は「露天風呂でゆっくりつかり、『幸せ』とつくづく感じます。名前も知らない入居者の方と話すこともあり、気楽に知り合いが増える」。夫(44)も「子供のころに住んでいた社宅の共同浴場のよう。父親が同僚たちと話していたあの独特の雰囲気を思いだしました」と懐かしそうだ。 共同浴場付きマンションは、リゾート地に限らず都心でも人気だ。総合地所(東京都港区)は平成12年以降、首都圏と関西圏で