アンジェリーナ・ジョリー主演のスパイ映画『ソルト』を見た人なら、諜報活動のなかで判断が最も難しい場面の一つが「飛び入り情報源」の扱いだということをご存知だろう。世界中の米国大使館やその他の公館を、アポなしで訪ねてきて情報を提供したい、と申し出る外国人のことだ。核拡散に関する情報をもっているかもしれないが、自国の政府に追われて命からがら逃げ込んできた可能性もある。 外交官にとっては一件一件が神経を消耗する難問だ。飛び入りで訪ねてくるような連中は貴重な情報源か危険人物か、あるいはその両方かもしれない。 今回ウィキリークスが暴露した書類のなかには、この飛び入り情報源をどう扱うかについての米国務省の秘密マニュアルが含まれていた。要約すると、手順は次のようなものだ。 飛び入り情報源が武装していないかを確かめ、身分証明書や資料の類をできるだけ速やかに複写して、最初の尋問に入る。そして、訪問者の目的と身