今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 研究休暇を使って先日まで滞在していたニューヨークで、タイムズスクエア近くを歩いていたときのこと。私の目に、おなじみの赤い提灯とタバコをくゆらすサラリーマンたちの姿が飛び込んできた。ラーメン屋だ! 私は鼻をクンクンさせ、欲求にかられながらまっすぐにあの「どんぶり」を目指した。 東京を離れて半年が経ち、私は日本のラーメンが恋しくてたまらなくなっていた。ラーメンは、ピザやフライドポテトや中華料理のように簡単に国境を越えられる料理ではない。だからニューヨークで食べる日本のラーメンは貴重なご馳走なのだ。 対照的に、一般的な中華料理はとっくの昔からニューヨークの生活に溶け込んできた。中華はもはや異国のものでもなければエキゾチックなものでもなく、「日常の料理」だ。 ニューヨーク中にあふれる「中華と和食のデリバリー」レストランは、単にお手軽なだけで、異文化体験ができ