各社は、人件費を削って安価なメニューを繰り出し、利用者のつなぎ留めに躍起だ。 居酒屋大手のワタミは6月、料理メニューの7〜8割を1品250円に抑える格安店を都内に出店し、年内に10店舗まで増やす計画だ。「昨年夏以降、顧客の財布のひもが急速に締まり、市場はこれからも緩やかに縮小する」(桑原豊・ワタミ社長)との分析からだ。 客はテーブルの端末で注文した料理を調理場まで取りに行く。「ファストフード」のシステムを使って人件費を抑え、低価格を実現する計画だ。客1人当たりの消費額は、「和民」の2600円に対し、格安店は1800円を見込んでいる。 コロワイド東日本は今月、居酒屋「甘太郎」で299円と399円の低価格品を大幅に増やし、1品400円以下のメニューの割合を全体の約4割に引き上げた。工場加工を強化して店内での調理作業を減らした。「少額の利用も取り込んでいきたい」(甘太郎第一事業部の早川伸一朗部長