土木インフラの維持管理市場は、国内で5兆円規模に――。 国土交通省は、土木インフラの点検、補修、設備管理などの潜在市場があると見込んでいる。市場規模の大きさは老朽インフラの増加という社会課題の表面化を示す。この難題に商機を見いだした1社が三菱電機。鹿児島大学や東京工業大学と共同で、部材の劣化状況を予測し、補修コストを推定する「土木インフラの維持管理支援システム」の開発を急いでいる。まずは、道と道とを結ぶ橋梁に開発の焦点を合わせた。 三菱電機らが橋梁に目を付けた理由は、自治体による保全方法が変化してきたためだ。国交省は2007年度に「長寿命化修繕計画策定事業」を創設。自治体に対して橋梁を計画的に点検・修繕する「予防保全型修繕」の実施を促してきた。長期的な視点で見れば、劣化の進行後に大規模修繕を行う「事後保全型修繕」に比べてコストが安くなる。しかし、「補修すべき橋の優先順位を決める」といった長