もう秋だというのに炎天下で行われた娘の運動会。照りつける日差しでうなじのあたりが焼けるように痛い。だけど、僕の心は満たされていた。娘は足が速い。徒競走を一位でぶっちぎり、代表リレーでも快走を見せてくれた。暑いのを我慢してカメラを回した甲斐がある。 僕に似て足が遅い息子と、妻に似て足が速い娘。運動能力においては娘の方が息子よりも引きが強かったということだろう。 熱血漢な父親 代表リレーを撮影している間、隣に座っていた父兄が終始大声を上げ応援していた。少しうるさいぐらいだったが、自分の子ども以外もちゃんと応援する姿勢には感心した。バトンを落としてしまった子、途中で転んでしまった子、大差がついていても一生懸命走る子。「大丈夫、大丈夫!まだ、追いつけるよ。ガンバレ!」僕にはできない芸当だ。多少暑苦しくても、こんな熱血漢を父親に持つ子どもは幸せなんじゃないだろうか。深くは考えずにそう思った。 娘が通