世界最大の純債権国、日本の国債は世界の投資家の逃避先なのだが、来年10月の消費税率10%への再引き上げ是非論議とともに国債暴落論がこれから盛り上がる気配である。 暴落論を分類してみると、まずは終末予言スタイルで、代表例が元外資系銀行ディーラーで参議院議員の藤巻健史氏である。氏は今年6月出版の『迫り来る日本経済の崩壊』(幻冬舎)で、「日銀による国債購入の約束は今年の12月まで。買いをやめれば国債と円は暴落し、一気にハイパーインフレに! ドル資産を保有する者だけが生き延びる」と、いわばノアならぬ「ドルの箱船」に乗れと勧めている。『金融緩和で日本は破綻する』(ダイヤモンド社)と警告する野口悠紀雄一橋大学名誉教授は消費税率を10%に上げても、国債不安は解消しないとみる。 財務省はこれらの暴落論には同意しないが、便乗したい。「国債市場不安」をテコにして消費税増税論をあおりたい。日銀の異次元緩和で国債