いよいよ総選挙。この投票日に、私たちは政治家や政党とは別に、もう一つの選択をしなければならない。 最高裁裁判官の国民審査だ。国民が、司法に対して意思表示できる、唯一の公的制度。今回の国民審査で、対象になっている裁判官は10人いる。 国民審査対象の裁判官しかし、この10人の名前を見せられて、どういう考えの人なのか、どのような実績を持っている人なのか判断できる人がどれだけいるだろう。最高裁国民審査公報というものが各家庭には配られているはずだ。しかし、そこに書かれている「最高裁において関与した主要な裁判」を読んでも、判決の意義や裁判官の判断について評価できるのは、法律の専門家くらいではないか。 過去の選挙の際、衆院選の候補者や政党のことだけ考えて投票所に足を運んだら、国民審査の投票用紙を渡されて戸惑った、という経験をした人は少なくないだろう。そこに列挙された名前を見ても訳が分からず、何も書かずに