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朝山実に関するdot_asahiのブックマーク (3)

  • 三の隣は五号室 | AERA dot. (アエラドット)

    築50年のアパートの五号室に暮らした住人たちの物語。のようで、実は無言の「部屋」が主人公の長編小説だ。 大家のどら息子・藤岡一平(1966~70年居住)から諸木十三(2012~16年居住)まで13組。彼ら彼女らは順番に登場しない(自前で住人年譜を作ってしまった)。 たとえば、エアコンは誰が設置したのか。浴槽の微妙な漏水はいつからなのか。犯罪捜査の証人のように住人が登場する。その独特な感じがいい。住人たちは、障子戸を取り払うなどそれぞれ工夫して暮らすが、謎の男・三輪密人を除き、ふつうの女子学生、単身赴任者、若夫婦である。 泣けたのは、病気で亡くなった奥さんが縫った雑巾を、後の住人が愛用する場面だ。「ふつう」が、こんなにいとおしい小説はなかなかないだろう。 ※週刊朝日 2016年8月12日号

    三の隣は五号室 | AERA dot. (アエラドット)
  • 脳が壊れた | AERA dot. (アエラドット)

    41歳のときに脳梗塞で緊急入院した体験をまとめた。呂律がまわらず感情抑制がきかず涙が止まらない日々。負の連続だが、興味津々で読める。 書が独特なのは『最貧困シングルマザー』などで取材した者たちの態度との共通点を見いだしていくところだ。落ち着きがない。目を合わすことができない。当時いぶかしんだことが今の自分に当てはまる。そこから貧困層に必要なのは医療ケアだと推論する過程が面白い。 もどかしい日々の中、脳腫瘍の大手術を受けたのことも考える。巻末にはからの「読者へ向けた手紙」が添えられ、夫の病気の結果について「良いが七、悪いが三」と書かれている。脳梗塞の病後に「性格が変わる」といわれるが、自身の脳内で何が起きたかを解析している部分は、患者をもつ家族への貴重な情報となるだろう。 ※週刊朝日 2016年7月15日号

    脳が壊れた | AERA dot. (アエラドット)
    dot_asahi
    dot_asahi 2016/07/07
    【書評 話題の新刊】脳が壊れた 〈週刊朝日〉 #鈴木大介 #新潮社 書評 by
  • 彼女に関する十二章 | AERA dot. (アエラドット)

    約60年前にベストセラーになった伊藤整のエッセイ『女性に関する十二章』の章立てに沿って書かれた長編小説だ。夫が仕事で必要としたのをきっかけに、の宇藤聖子も同書を読み始めるところから物語はスタートする。 聖子はパート先で、眼鏡からパソコンまで器用に修理する元ホームレスと知り合い、「お金を持たない生活」に触発される。初恋の男性の遺児が現れ、一生童貞と危ぶんだ息子が突然、彼女を連れて帰宅する……。当初は古臭いものに映っていたエッセイが、日々の雑事のなかで響き合い、途中から聖子のなかで輝きを放ち出す。 田山花袋の『蒲団』をもとにした『FUTON』でデビューした著者の再生手法が冴えを見せる。映画「男はつらいよ」をめぐるやりとりがいい気配を醸し、人生の意味を考えさせられる。

    彼女に関する十二章 | AERA dot. (アエラドット)
    dot_asahi
    dot_asahi 2016/05/13
    【書評 話題の新刊】彼女に関する十二章 〈週刊朝日〉
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