医療の点では日米の差はそれほどないが、患者の意識の差は大きい。私自身アメリカに18年住んで、帰国して一番気になったことは患者が医師の言いなりになっていることだった。 本書によると、一流患者とは「医者まかせにせず、最適かつ最良の医療を医者から引き出せる患者」であり、二流患者とは「医者の言うことを鵜呑みにする患者」である。日本の患者のほとんどはまさにこの二流患者であるだろう。ちなみに三流患者とは文句ばかり言う患者のことだという。 アメリカでは「医者と患者はパートナーであり、対等である」という意識は当たり前であるが、患者力を高めるにはどうしたらいいのか、誰もができるやり方がわかりやすく書かれている。後悔するのは医師ではなく、患者であることを忘れてはならない、と著者は言う。 ※週刊朝日 2016年6月3日号